何にもないすばらしい1日だった。

 

このごろはWord Power Made Easyという本にも取り組んでいて、いまは100ページに届くか届かないかくらいまできた。いわゆる「ボキャビル」本で、どうもネイティブ向けのような気もするが、定かではない*1。初版が1949年(おじいちゃんおばあちゃん世代!)で、いまもなお一部書店の店頭に並んでいるというロングセラーである。リファレンス本などではなくトレーニングブックで、本書の使い方にも「この本を読むな、この本に取り組むのだ」(i.e. 音読する、書き込む……)と書かれている。日本の受験生向けの英単語本にありがちな、出現頻度や重要度順などではなく、意味や語源のまとまりを重視した構成になっている。それは、筆者の「単語を学ぶことは世界を知り、教養をつけるということであり、正しい思考のための第一歩である」という哲学を反映したものとなっている。

 

教養主義をobsoleteとする向きもあるし、興味の持てない分野を無理に勉強することもないが、英語やことばを学ぶのが好きであるのならば*2、一読の価値*3はあるのではないか。

 

ぼくはこの本の熱い導入が好きだ。いまよりも興味津々、好奇心旺盛だった子どもの頃に戻ったような気分になる。これがこの本の価値の半分を占めていると言ってもよいのではないか。もしもこの導入がなければ、500ページ以上もあるこの分厚い本に、おいそれと取り組んでみようなどとは思えなかっただろうから。

 

When you have finished working with this book, you will no longer be the same person.
You can't be.
If you honestly read every page, if you do every exercise, if you take every test, if you follow every principle, you will go through an intellectual experience that will effect a radical change in you.
(この本を読み終えたとき、あなたはもう元と同じ人ではありません。いられないのです。すべてのページをきちんと読み、すべてのテストをし、すべての原則に従えば、あなたは自身に急激な変化をもたらす知的体験を経ることになるのです)

 

仮にこれだけだったとしたら、下手な新興宗教の勧誘のようで、ない方がマシだったかも知れないが、そうではない。「本当にこの人の言うとおりかもしれない。自分にもできるかも知れない」と思わせてくれる筆者の伎倆がある。ぼくはそれを損なうことなく伝える術を持たないので、気になる人は各自買って読んでみてください。危険思想の本ではありませんので。

 

なんか宣伝っぽくなってしもて肌が粟立ちそうやけど、要するに今日の日記は冒頭の1行に集約されるということやな。この本やるくらいならTOEICをやれという意見もあります。

*1:説明文にちょいちょい知らない単語が入っていたりするが、とりあえず読めるように書かれているので、ネイティブ・ノンネイティブの区別はさして重要ではなかろう

*2:単に"eye doctor"(目医者)と言えばすむところを"ophthalmologist", "oculist"(眼科医)などと呼んでみたいあなたにおすすめ

*3:読んではいけないが