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知らぬ間に

ここ1週間ほど東京へ行ったり観光案内したりと忙しかったが、ようやく1日家に引きこもって気ままに本を開いたり携帯を触ったりする日が作れた。

 

観光案内に際して久しぶりに会った友人(留学生*1 )が、知らぬ間に彼氏を作って1年半ほど同棲してけんか別れするところまでやっていて驚いた*2。友人が「卒業」を知ったときに感じる、祝福とやるせなさとがまざったあの癖になりそうな甘酸っぱい感情がよみがえった。

 

破綻の原因は、「同棲生活に求めるものの不一致」だったようだ。彼の方は、彼女とあらゆる生活の場面を共有したくて、例えば一緒に料理したがったり、買い物したがったりしたが、彼女の方はなるべく自由気ままに過ごしたい性質で、常に彼の存在を意識せねばならない暮らし方を嫌った。特に、外で友達と遊んでいるときにラインでついでの用事を頼む*3などといった、せっかくの自由時間に水を差すような彼の何気ない行動が癪に障ったという。

 

少し意外だったのが、性生活においてはむしろ彼女の方がやる気まんまんで、もっぱら「疲れてるから」と断られる側だったということ。彼は一緒にゆったりとたわいない時間を愛し、彼女はメリハリをつけてその場その場に集中して楽しむことを重んずるゆえであろうか*4

 

あるとき、彼がビザの申請手続きの関係で1か月ほど帰国していたことがあった。その間彼女はひとりの時間を享受したわけだが、そのときにはじめてこれまでいかに抑圧的な環境におかれていたか、独り身がいかに気楽であるかを思い知り、別れを決意した。彼が日本に戻ってきてから彼女はひたすら冷淡な態度をとり続け、ついに「僕たちの関係をなんだと思ってるの」「赤の他人でしょ」というやりとりに結びつけることに成功した。はっきりと振られて落ちこむ彼を前に内心大喜びで、唇を一文字に保つのに苦労を要したという。人のかなしい顔を見ながら笑っていられないぼくにしてみるといかにも酷な話だが、この自分の感覚に基づいて決断し実行する力には見習うべき点もある。

 

何はともあれ、同棲してみたい、してみたくない?

 

ちなみに彼女はいま後輩の童貞の男の子と友達以上恋人未満の状態を楽しんでいるらしく、ライン通話でその彼をからかっている様子を見せられた。目も当てられないデレっぷりでアホっぽくてそれこそ失笑ものだったが、人はだいたい誰でも惚れ込んだ相手にはそういう風になってしまうものなのだろう。人目はばからず乳繰り合う*5鴨川の等間隔カップルを呪いたい気持ちもわかるが、いつか自分に春がきたときそれにがんじがらめにされて苦しむことになるので、呪文はメラくらいの軽いものにしておいたほうがよい。ドラクエやったことないけど。

 

 

 

*1:先週卒業したので、厳密には元がつく

*2:いまから思えば異性の先輩とふたりで「ルームシェア」していたことから予想できたはずだが、恋愛より遊びを優先しそうな彼女の性分と、出身国の相違から、そういう恋愛抜きにして部屋を共有する文化もあるのかなと思っていた。そういうのも実際には存在するだろうが、自分の交遊範囲においそれと入ってくるほど一般的ではないような気がする。自分はいびきがうるさいとよく言われるので、多分むり

*3:これについては部屋から繁華街までのアクセスが不便であったこともあり、彼女自身も半分同情的だった

*4:もしそうなら、ぼくは彼女寄りの感性を持っていると思う

*5:この表現いい具合に下品な響きがあって見聞きするとゾクゾクする。なかなかおおっぴらには使えないが