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発表をした

ようやく初めての発表をした。発表をしたといって、終えたわけではない。まだ残っている。目安として1回につき10ページほど進むようにと言われていたが、その半分に達したか達しなかったか……というところで中断されている。何がさほどに時間を食ったかというと、表の形でワーッと列挙された諸性質の証明である。証明のための道具立てが本文中であまりなされておらず、また自ら創出するだけの力量も持ち合わせていなかったので、不統一な拙いやり方でひとつひとつ丹念に示すほかなかったのだ。2時間でA4用紙表裏10ページ強をやれるわけがない。


もっと短時間のうちに済ませてしまえそうな上手なやり方があろうということが漠然と感じられる。かくも複雑怪奇な議論などはまったく不要であるに違いない。おそらく賢者の通るべき道は存在する。どうせ発表するならば、同じ他人の時間をいただくのであれば、ぼくもその道を拝借して効率的にやりたい。どこかにありそうなのに、どこか、どこかに王道が……。


そういう思いを抱えたままアホの道を奔走せねばならぬこと。クリーナーとペンとをしきりに持ち替え、そのたびに紙の束をばさばさ床に落とし、口内は乾き、心臓は高鳴り、頭はますます混乱し、やがて白板の前で狂人の真似を披露せねばならぬこと。それが、ぼくが直視せねばならない現実というものであることを知った。


ただ、今回の終わりに先生から「細かいところまでよく準備してくれました。すばらしい」と、またメンバーのひとりから「わかりやすかった」と、ほめて(i.e. フォローして)いただいたのが救いとなった。やっぱりぼくは自分で自分を追い詰めるタイプの人間で、時折こうしてひと言ふた言ほめてもらうことで支えられながら生きていかなければならないのだろう。ぼくは孤高の賢者にはなれない。人の群れのなかで、支えられ、支えかえして生きていくしかない。


たかが1回の発表で何悟ってんねんという意見もあります。