大会に出て、予選落ちした。負けたのは試合後の感触で予想していたこともあってすんなり受け容れられたが、結果を見てみると僅差で負けていることが判明した。悔しいというよりも、パートナー(優秀)に対して申し訳なく思う。その僅差というのが、4試合のうちはじめの2試合でぼくが平均的な、つまり基礎基本を押さえたスピーチをしていれば十分に手の届く範囲にあったからだ。ほとんどファーストばかりで、セカンドでしゃべったことがあまりなかったから、何を言えばいいか判然としないうちに準備時間が終わってしまったのが原因だろう。それでも、たとえ同じ浅い内容を言うにしても、整理して、番号をつけて話すだけでも結果はちがっていたであろうと思うと、ひたすらもったいない。普段の練習でもよく指摘されるこの怠慢を、今回に懲りて、もういい加減に根治していかねばならない。


その一方で、パートナー(優秀)がいてくれたことはぼくにとってありがたいことだったかも知れない。誰かに対して申し訳ないという痛み、誰かに対して仕事を全うできなかったという未練ほど(ネガティブではあるけれども)強い原動力はない。自分ひとりなら「ああ、残念」ですむかも知れないがが、仲間に対してもそう言いきれるほど肝は据わっていない。


ただ、最後の試合では結構高い点数をもらえたのが個人的な救いだ。これははじめの2試合でもらった「セカンドは比較は気にせずにキャラ分析がんばればいいよ」というアドバイスが功を奏した。こうして手応えと手がかりがつかめただけでも次の大会に向けて前向きにがんばろうかという気になれる。がんばるなら「やればなんとかなりそう」がいちばんよい。