MT技能教習と関西おばちゃん教官の豪放な励まし

明日、というよりも今日この後2回目の技能教習がある。あれは見た目以上にデリケートで難しい。クラッチの操作が半クラやらなんやらでトリッキーであることは承知していたが、いやいや、それ以前にアクセルの踏み方からして繊細さを要求される。ゴーカート気分でパシーンとアクセルを踏むと攻撃の勢いでエンジンが回る。ヴーン!! 発進時は1速に入れて1500rpmから2000rpmを維持して半クラッチを作るように、と指示されるが、ここからすでにちょっとしたゲームである。

 

それでも1回目にしては悪くないできだったのか、ニコニコと愛想のいい関西おばちゃん教官は「うまいやん! これなら女の子乗せても安心やな」「やっぱマリオカートも得意やろ」とほめてくれた。もちろん客観的に見れば、全体としてぎこちない操作だったことは、ぼく自身が自覚している。停止・発進にいちいち不穏な加速度Gを感じたし、一度は停止時にクラッチを踏み忘れてエンストを起こした。それでも細かいことを抜きにして、とりあえず目標自体の達成をもって、威勢よく「うまい」とほめて励ましてもらえたことがまずうれしかったし、加えて、おばちゃん先生がわざわざ照準を平成に合わせて話をしてくれていることが余分にうれしかった。ぼくはもう照れてしまって「ありがとうございます」とうつむいて笑顔をかみ殺して返事するのが精一杯だった。

 

できることなら、伝えたかった。教えてあげたかった。

 

マリオカートはオートマですけど」