中学生男子は互いの股間をまさぐり合う傾向にある

連れにいわれたことがある。「にーさんの中には女の人がすんでる」。まあこういわれると、自分でもある程度たしかにそうかも知れないと納得しているところである。昔から人の体に触れるたびに手つきがいやらしいといわれてきた。

 

はっきり記憶に残っているのは中学生の、クラスメイトと体のさわりあいが頻発してしたあの頃だ。一般に体のさわりあいと書いたが、部位はだいたい決まっていて、触るのは決まって太ももと胸と股間である。タイマンのさわりあいはもちろんあったが(もちろんって何やねん)、やはりメインストリームは複数人でひとりを羽交い締めにしてシャツの上から両胸をさすったり、短パンの裾から内部を侵したりする様式であった。ここで羽交い締めにされている方は、「やめろ、やめーって、変態かよお前ら」などと口走りながら、頬はいつも緩んでいるのである。そういうお約束なのだ。共学の私立ないしは中高一貫進学校に通われていた諸氏にはひょっとするとなじみのない文化かも知れないが、このような「男子生徒同士のふざけあい」風景はいわば「地元の公立中」にはよく見られる光景であると思う。ついでながら申し添えておくと、一部の女子生徒も、男子生徒に劣らず頻繁に、胸のもみ合いなどをしてふざけあっていたような記憶があり、うらやましく思ったような、思わなかったような、そんな気持ちがある。自分が同じ女子生徒として、あんな風に触り合えたらな、といった具合に。

 

ぼくもご多分に漏れず標的になる。我が身体の自主権をあえて侵害する、軽挙妄動の挑発的行為を仕掛けられた以上、その主権者たるぼくはこの道理をわきまえない悪意に満ちた軽率野郎共に対しておとなしく沈黙することは断じてあり得ない。ぼくは即座に正当なる反撃を加える。ぼくの反撃は、周辺各人のごとき平凡なるものではない。全力を尽くして徹底的にいやらしい手つきによって危機感を植え付けるのだ。それによって我が身体の自主権を、自らの力で守るのである。共和国の核兵力が彼らの自治権を担保しているのであれば、ぼくはいやらしい手つきによって身体的自主権を守り通したのである。

 

途中で試みに共和国文学を模倣しようとして時間を食ってしまった。完全にとっちらかった文章になってしまったし、本当は「中学生男子は互いの股間をまさぐり合う傾向にある」ことについて論じる目的はなかったのだが、もう疾うに時間切れになってしまっている(午前3時半)ので寝る。明日は朝早くから仮免の修了検定馬鹿野郎お前俺は受かるぞお前。

 

もしかしなくても、こうやって内面に関することは1日で書いてしまおうとはせずに、じっくりと数日ほどはかけて練り上げたほうがよいことには気づいているが、いかんせん易きに流れてしまうのが、ぼくの短所であるようだ。