店員にタメ口で話す人間や、新興宗教およびその信者を血眼で袋だたきにする様子に半ばあきれながら嘆息する。傍観者にすら息を継がせない猛獣の勢いで、ありったけの敵愾心と嫌悪感を振りかざすインターネットの住人たち。その過激な不寛容さには困惑する他ない。

 

自身を省みると「メンヘラ」というものに対して、最近ではそうでもなかったが、しばらく前までは少なくとも心の中で彼らに近いような態度をとっていたようなことを思い出して、少し気分が陰った。

 

店員へのタメ口も新興宗教もそれ自体に罪がないのと同様に、メンヘラもそれ自体に罪はない。ぼくは罪の所在を慎重に特定するような人間だったはずだし、いまでもそうでなくてはならない。功については多少間違ってもかまわないが、罪の方はまずい。罪の扱いは丁寧にしなくては。