友人が断続的に泊まりにきて、ふたりで関数解析をがりごり進めていた。

 

起きたら近所のファミレスでご飯を食べて関数解析、コーヒーを飲んで関数解析、夕飯を食べて関数解析。とても楽しかった。放課後の教室に居残って、みんなで気ままに黒板で問題を解くというのが、数学を通じて共有する、何気ないけれどもめちゃくちゃ楽しい時間だったということを思い出す。小腹が空いたら、学校のすぐ隣にあったローソンでファミチキを買ってきてかぶりついたりもした。このごろやっている院試ゼミもそうだが、こういうのを求めて大学にきたんやと言いたくなるような時間を過ごせている。

 

賛否はあるだろうけれども、ぼくにとって数学はコミュニケーションの口実という側面が強い。人と人との間に1冊の本をおくだけで、その関わりに深みが増す。あるいは数学でなくともかまわない。哲学書でも、小説でも、アニメでもマンガでも同じように人と人とが盛り上がる材料になりうる。とげとげしく「コミュニケーションの口実」と言ったが、穏当に言えば文化と称すべきものであって、ぼくはそれによって社会の一部であることを確認し、またそれを通じて生のよろこびを感じたいのかも知れない。

 

新しい概念を手に入れる楽しさ、問題を解く楽しさ、和衷協同することの楽しさが渾然一体となって、数学の楽しさとして感じられる。