はわわ

人前にたって慣れないことをしようとすると心に余裕がなくなる。だんだん自信がやせ細り、代わりに不安がふくれあがる。不安に際して自分を落ち着かせるために無意識下でとってしまう言動は、無意識ゆえのオートメーション化によって精神力が節約できる分、また無意識ゆえの制御の難しさにより、気づかぬうちにみっともない姿を観衆にさらしてしまっているということがままある。いや、無意識下でなくともこの悲しい喜劇は起こる。努めて明るく振る舞おうとするとふざけているように見えたり、落ち着いてしゃべろうとすると陰険な雰囲気が漂ったりする。

 

おのれの言動をコントロールするというのは、なんとしんどいことか!! ぼくは今日も失敗した。「緊張ですか、それともわざとですか」というのはこたえた。たしなめたつもりではないのかもしれないが、この後に勉強不足を指摘されたことを踏まえると、たしなめ以外の有効な解釈がいまのぼくにはない。

 

ここでいらつく気持ちがあるということを認めなければならない。いらつくどころか煮えくりかえるといっても差し支えない。感情表現・内心の発露といったたぐいが苦手なので、それっぽい言葉で形容してもむなしく響いてしまうのだが……。しかる後に指摘はある程度的を射ていたということを受け容れたい。ぼくはこれまで感情を外在化させるステップをおざなりに済ましてきた(そしてそれが一因である大失敗をも犯している)ので、しつこく、大げさに、執念くその旨を書き記しておく。

 

こうしてみると理屈っぽいが、ぼくが自分の感情を正直に表現しようとするとどうしてもこのような形式でないといけないらしい。「かなしい!! いやだ!! おこる!!」では宙ぶらりんで、いかにもmake upしたような感覚に陥ってしまう。なぜそうなのかはわからないので、そういう性質なのであるということにして、追究はまたの機会に。